トモダチ

同じ境遇に立っているIと俺はいつも将来のことを迷っていた。それももう俺らが大学3年の就職活動に入ってからだ。彼とは基本的にタイプがまったく違うが、長い付き合いなのである程度は彼の考えていることがわかる。状況が似たもの同士だから彼の苦しみもわかる。タイプが違うのでよくちょっとした意見の違いでケンカになったりする。そんで衝突する。
傷の舐めあいじゃないけど彼がいてくれて心強いと思った。俺は神経が図太いから彼に対して平気で繊細なココロを傷つけてしまっているのかもしれない。でも俺は俺なりに彼にアドバイスしているし、彼の意見もしっかり聞いている。ここまで違うタイプの人間が長年付き合ってこられたのは何か?彼に持っていて、自分にないもの、自分にあって、彼にないものがあり、それぞれをお互い、支えあって、高めあっているのではないか。彼は自分のことを「俺と付き合っても得るものがない」とか自分のことを消極的に言うけどそんなことはないと思う。確かに経験の積み重ねによって自信につながり、自分という芯を太くしていく。そして魅力的な自分に近づくことができるが、まず自分を好きになることが重要だ。その点ではおれは自分のことが好きだ。自分を好きでいないと当然周りにも好まれないと思う。もっと自分に自信を持っていいと思う。今までの経験がいくら薄っぺらなものでも人の通ってきた道は違うのだから、オレはこんな道を今まで辿ってきたと堂々と言えばいい。えらそうなことをぬかしているが友達がいて得られないことなどない。何かしら時間を共有した友はそれなりに互いに得るものがある。自分にないものを友から得られればいい。